最近では当たり前のように言うようになったジェンダーの多様性、LGBTQ+に関連した6月の”PRIDE MONTH”についてお話ししていきたいと思います。
はじめに
自分の性について明かす必要も明かすことを強要することももちろんありませんが、大切な人、例えば家族や友人が、もしセクシャルマイノリティとしてカミングアウトしたいけど言えないという状況を少しでも無くしみんなが心理的な安全を感じて生きられればいいな、と。
そもそものLGBTQ+については某○○pediaで内容は分かるのでわざわざ詳しくは触れませんが、俗にいう、男が女に好意がある(その逆もしかり)という状況はストレートと言います。そのストレートが人間の大多数を占めていますが、それ以外の性指向をもった方々がセクシャルマイノリティ(性的少数派)と呼ばれているのです。
この記事では、最低限その知識があればこの先は読んで頂けます。
Pride Monthに関する情報の引用元は以下のリンクからご確認頂けます。
:https://www.bellesa.co/collective/874/pride-month-the-origin-story
”PRIDE MONTH”とは?
それではタイトルにある”PRIDE MONTH”とは何でしょうか??
6月の1ヶ月間を大きな祭典を通してジェンダーの多様性を意識し自らの言動を顧みる、という期間です。
LGBT+コミュニティを称えて、支持や理解を促進する欧米の月間イベント。プライド・パレードは、特にセレブたちの参加が多いイベントとして有名。
https://front-row.jp/_ct/17214253
他にも一ヶ月間を丸々なにかの啓発期間として認知されているものでいうと、
3月8日に国際情勢デーがあることから3月自体が「女性史月間」と呼ばれています。
”PRIDE MONTH”が始まったきっかけとは?
最初にきっかけとなった事件があります。
それは1969年、ニューヨーク市のストーンウォールというゲイクラブで起きた同性愛者の警察に対する暴動でした。
当時法律によって同性愛行為が禁じられていたことから、街にある同性愛者の集まるクラブに警察が当然押し入り、警察によって多くの人が身体的・精神的に傷つけられたという事件でした。
法律で禁じられているからと言ってこのような扱いを受け続けるのはこりごりだ、と一念発起し同性愛者コミュニティーは立ち上がり自分たちの権利を主張する運動を始めました。
このストーンウォール暴動と呼ばれる事件がきっかけとなり、ゲイの人々への権利を求めた運動がアメリカのみならず世界全体に広がっていきました。
そして翌年1970年6月28日に最初のPride Marchが行われたため、正式なPride dayはその日になり、6月は”PRIDE MONTH”としてLGBTQ+の啓蒙期間として広く認知されるようになってきました。
人々はどのように行動を起こすのか?
この期間具体的に人々はどのような行動を起こすのでしょうか。
プライドパレード(Pride Parade)
”Pride Month”のメインイベントです。
上の写真のように、6月のどこかの週の土日で都市単位で開催されるパレードになります。
Pride Marchともいわれるようで、「行進」というニュアンスは確かにぴったりな感じはします。
レインボーフラッグ(にじいろの旗)を手に、きらびやかな衣装を身にまとい楽しく街を練り歩くといったイメージです。
企業やチームのロゴをレインボーに1ヶ月間変える
企業やプロスポーツチームなどが6月のPRIDE MONTHの間、自身のロゴをレインボーデザインに変えています。
それはその団体がPRIDE MONTHの活動に賛同しているという意思を示し、LGBTQ+の人々へ勇気を与える行為となるでしょう。
レインボーフラッグ
では上で少し触れたレインボーフラッグはそもそも何を意味しているのでしょうか。
「多様性」
これが大きなコンセプトとなり、各色に意味合いがあるので下にまとめてみました。
色 | 意味 | 元の英語 |
赤 | 生命 | life |
オレンジ | 癒やし | healing |
黄色 | 太陽の光 | sunshine |
緑 | 自然 | nature |
ターコイズブルー | 魅力と芸術 | magic and art |
インディゴ(ロイヤル)ブルー | 穏やかさ | serenity |
紫(ヴァイオレット) | 精神 | spirits |
上記のレインボーフラッグ以外にも複数のLGBTQ+のコミュニティを示すものが現在では存在しています。
イベントの開催
例えばトロントのPride Month6月の週末のスケジュールは街中のコミュニティホールや街角のお店などで様々なイベントがおこなれています。
一番の目玉は、Pride Marchといわれるパレードです。
トロントがあるオンタリオ州では各地方都市でもパレードをはじめとするイベントが行われますが、トロントで行われるものがカナダの中では最大になるので地方から多くの人が集まる一年の中でもかなり大きなイベントの一つになります。
そして、街中ではコンサートから家族で参加できるようなワークショップイベントまで多岐にわたります。
実際の現地やまわりの人の反応、考え方
現地人カナダ人といえど、移民大国なので様々なバックグラウンドの人が多くいます。
永住権を持っている中華系カナダ人やインド系カナダ人、オランダのバックグランドをもった人など本当にいろんな人がいます。
なのでひとえにカナダ人というのは難しいですが、現地にいた私のは肌感の話をすると
性の多様性についての認識や、それをみんなで受け入れ共存していくことへの理解は日本より圧倒的に高いです。
しかし、だからといって日常的に性的マイノリティの方々が自分の性を公表して当たり前のように生活しているかというとそれは違います。
やはり日常生活でまわりの人へ自分の性を告白するというハードルは依然として高いという印象を受けました。
実際に留学生の友達にゲイの友達がいたのですが、その子は「自分はゲイであることを隠さないけれど他にオープンにしている人が少ないからどこで仲間を探して良いか分からない」、といっていたことがありました。
また、私が所属していたボランティアコミュニティのなかでできた友達同士はレズビアンカップルでしたが、非常に外向的な性格の二人だったので非常に二人の関係に対してオープンで誇りを持っているという印象を受けましたし、二人の人間性が純粋に好きだったので、かっこいいカップルとして私も見ていました。
しかし、ここで言えるのはレズカップルはソーシャルメディアなどでオープンにする友人を数組見ましたが、男性のゲイカップルが関係をオフィシャルに見せている姿は身近で見ませんでした。
そこに関する周囲の人間の目線が、男女間ですこし異なっているのかなという印象です。
ここにはもしかすると根強い偏見からくる否定的な意識があるのかもしれません。
国や地域によっては男性ゲイカップルが当たり前のようにいる場所もあるので一概には言えませんが、LGBTQ+のなかでもどこでも平等に生きていくことの出来る環境が整えば良いなと願います。
少し別の視点からの話になりますが、キリスト教信者の年配の知り合いからさきほど話に出たゲイの友人のことを聞かれたことがあります。そのとき、ゲイなどの性的マイノリティの人は精神的な要因で性指向がストレートから変化してしまっているのではないか、という非科学的なネガティブな意見を言われ、正直ゲイの友人のことを思うと非常に不快でした。
これは本当に全体ではなくごく一部の人間の話かもしれませんが、ストレートの女と男しか存在してはいけないと思い、性的マイノリティの方々を精神病扱いをする人も少なからずいます。
わたしの考え
いま子ども達の教育に携わっている人間として日本の子ども達のジェンダーに対する知識がかなり乏しいことに危機感を感じています。
現在あるPride Monthも大きなビジョンとして掲げているのは、「啓蒙活動が必要と無くなる日までつづけよう。」というもの。
長い間私たち人間にすり込まれつづげた男女という概念がいま変化してきており多様性を尊重しようという運動が広がっていますが、多様性が認知され当たり前のように受容される世の中に早く変わることを切に願っています。
一度に何万人ものの人の考え方は変えられなくても、まず自分が変わり、リスペクトもって周囲の人へ自分の思いを伝えていくことが着実な一歩だと私は考えます。
それではAdios~
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